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新卒採用への違和感から個性を活かす場所づくりへ

経歴

晒名 駿

HUNT BANK株式会社 代表取締役社長

1997年生まれ。愛知県出身。名古屋大学教育学部附属中学・高等学校を卒業。2019年、明治大学商学部に在学しながらHUNT BANK株式会社を設立。当社は大学生と経営者限定、完全無料・両者完全審査制プラットフォームの開発および運営をするダイレクトリクルーティングサービスカンパニー。上場企業経営者や大手法律事務所代表、大学教授など名だたる方々39名が発起人株主として出資。本プロダクト開発と同時に、中小ベンチャー企業における新卒採用マーケティングコンサルティング事業、イベント企画制作事業も手掛ける。2020年、情報経営イノベーション専門職大学 客員講師に就任。
中高6年間ハンドボールに尽くし、大学生ではAGESTOCK実行委員会の2018年度代表を務め、年間1万人以上の大学生を動員。ゲストには日向坂46らが出演。
趣味は音楽鑑賞、漫画・アニメ鑑賞などインドア派。

事業内容

HUNT BANK株式会社は、就活・新卒採用における大学生と経営者限定プラットフォーム「ハントバンク」の開発運営事業、新卒採用マーケティング支援事業、アポイント代行事業、イベント制作運営事業を行っています。メインは「ハントバンク」の運営で、現在大学生1800名、経営者700名が登録しています。 経営者と学生をマッチングするハントバンクは完全無料で全学年の大学生が利用でき、通年採用時代において自分のキャリアの可能性を広げるきっかけを大学1年生から手に入れることができます。AIで最適化するマッチングサービスが多い中、偶然の出会いを大切にしているハントバンクを通して、学生は興味を持った中小・ベンチャー企業の経営者と実際に会ってリアルな情報収集ができ、自身のキャリアプランを明確化しながら円滑に就職活動に臨むことができます。

新卒採用において学生に値札が張られていることに違和感

―晒名さんが起業する最初の契機は、所属していたサークル活動を通して出会ったとある経営者との会話でした。「学生と経営者のマッチングサービスをいつかやってみたい」と話す経営者に「私がやるのはどうでしょうか」と答えたところから始まりました。
イベントやフリーペーパー、メールマガジン等を運営する学生団体「AGESTOCK」で代表を務め、スポンサー企業への営業活動に力を入れていた中で多くの社会人や経営者と関わる機会を持つことができたそうで、引退時には手元に経営者の名刺が400枚あったと言います。起業を決意されるまでにどのような問題意識があったのでしょうか。

晒名:
最初から就職活動における課題解決をしたいという想いがあった訳ではありません。就職活動をする際にどうしたら良いか分からなかったので、サークル活動を通して繋がりのあった社会人の方々に相談しよう、と思って最初に相談した方と偶然マッチングサービスの話になったんです。それが2019年1月の話で、同年4月に立ち上げることになりました。
立ち上げながら就職活動も同時並行していたのですが、30社ほど受けた大手企業で最終面接まで行っても最後でことごとく落とされました。そのとき、もっとシンプルに採用担当者等と「君、気が合うね。一緒に働こうよ」くらいで就職できればいいのに、もっと本音の話や想いでマッチングできればいいのに、と思ったんです。 面接を受けている中で「あなたは何が出来ますか」をジャッジするというスタイルが冷たく感じましたし、学生に値札が貼られていると感じました。かつ学生ごとに値札の値段が違うのだろうと。今の日本の新卒採用は、ポテンシャル採用でありパーソナルな部分で企業とマッチングするもののはずで、パーソナルな部分というのは値段がつかないはずなのに、値段が違うことに疑問を感じました。新卒採用における値札を取っ払って、もっと人間臭いところでマッチングできるようにしたい、ということをハントバンクの問題意識としてサービスを行っています。

この事業は自分にしかできない、この会社を大切に育てたい

―晒名さんが会社立ち上げを決意しながらも就職活動を並行していたのは、不安だった気持ちと自分がミーハーな学生だったことが理由だと言います。大手志向でネームバリューのある会社への就職に憧れを感じる一方、現実の選考は難航しました。しかしそれが故に、就職活動を通して課題意識を持つことが出来たので結果的には良かったと語ります。

晒名:
起業を決断したタイミングは2つあります。
一つは、起業の着想を得た経営者の方とのお話のタイミングです。元々起業には興味がありいつかは起業したいと思っていました。たまたまお話の機会があったので、いつかやるなら今のタイミングを掴むのが良いのではないかと考えました。また、その経営者の方は当時37歳で色々な会社で役員などを経験してから満を持して起業した方で、その方の人柄も含めて「この人からこんな近い距離で学べるんだったらいいな」と思いました。大企業だったり社員を雇用している会社だったりすると実現が難しいけれど、私は23歳で家庭もまだ持っていないし、今までの経験を鑑みたときに、逆に言えば自分しか出来ないなと感じたので始めようと決意しました。
もう一つのタイミングは就活の最終面接で面接官から言われたとある言葉です。「君、就職するってどういうことか分かってる?ポイントは二つしかなくて、一つはどれだけその会社のことが好きか、もう一つはどれだけその会社のことを伸ばすことができるか、この二つしかない。君は後者の伸ばすということは出来るかもしれないけれど、うちの会社別に好きじゃないよね」と。確かに自分の会社以外に本当に好きになった会社が無かったな、と腑に落ちました。だったら自分の会社を心から好きになり大切に育てていくことが一番の近道だと振り切れました。

自分はエースにはなれないけれど皆をまとめるリーダーにはなれる

―今の晒名さんの価値観を形成したのは進学した中学高校の環境でした。小学生までは勉強もスポーツも出来て神童と呼ばれていたけれども、中学受験をして進学してみると個性の強い同級生の中で自分が没個性的だと感じました。

晒名:
スポーツが出来る人、頭がずば抜けて良い人、様々な個性を持つ仲間の中でどれも中途半端で勝てない現実を目の当たりにして辛かったです。そこで「個性」がコンプレックスでもあり自分のテーマとして根付いた価値観となりました。何か個性を作らなきゃとの想いで、とにかく色々挑戦しました。音痴で経験も無いのにギター一本でステージに立ってみたり。その中で、自分は個性は無いけれど、個性のある皆をまとめることは出来ると気付きました。そこからは行事があるごとにリーダーをしたり、ハンドボール部で副キャプテンをしたりしていました。何かあると仕切る人というキャラクターをなんとか獲得しました。

―エースで活躍することが憧れだったけれども、個性的な皆を活かす場所づくりをすることが自分には向いていて楽しい、自分じゃない誰かの可能性や魅力を届くべき人に届けたいという晒名さんの想いは、居場所づくりをする現在のハントバンクの活動に繋がっています。

こだわるところはこだわる。自分を信じてやることを淡々とやる。

―職人気質で自分が生み出すものにこだわりすぎるタイプで本当は100点満点のものでないと人様に見せたくない、でもいきなり100点満点を提示するのは難しい。だから未完成でも世の中に投げてみる、そこから試行錯誤してより良くし、最終的に120点が出せるように心掛けている晒名さん。スピードを大切にしながら、こだわりの取捨選択を重要視しています。

晒名:
ハントバンクの「完全無料のサービス」というこだわりを捨てたらハントバンクじゃないと思うんです。その捨てないこだわりにはこだわる。一方で改善すべきところはパッと捨てて変えていく。変わらない為に変わるように、ハントバンクだからこれをやる、これをやらないというところのこだわりは捨ててはいけないと思っています。

―晒名さんはやることを淡々とやっていくことも経営の中で意識しています。「大きな成功もまずは一歩から」と捉え、一喜一憂せずに日々、昨日の自分に負けず常に今の自分がピークとなるよう努めていらっしゃいます。また「自分を一番信じられる人は自分」だと考え、自分の可能性を信じていこうとされています。

晒名:
「感謝」することも大事にしています。何事もそうだと思いますが、例えば会社経営においても自分一人では出来ないことなので、一緒に仕事をしている人、友人、先輩、後輩には感謝の気持ちを持って向き合おうとしています。自分が出来ることは少ないことを知っていますし、これまで人に助けられて生きてきたので、この意識は人より強いと思います。
誰かに何かをしてもらった時など、とにかく「ありがとう」をめっちゃ言います。 サークルを運営していた時、自分はリーダーっぽくないカジュアルなリーダーを理想としてやっていましたが、このリーダーの在り方で皆を支えられているだろうかと不安でした。しかし引退した時に、皆から「晒名さんがリーダーで良かった」「晒名さんがリーダーだったからこそここまで活動を続けられたんです」など言葉を頂き、嬉しかったです。日々感謝の気持ちを伝えていたからこそ、その思いが返ってきたんだと感じました。

等身大の起業家でありたい

―晒名さんは将来展望として、最終的に「ハントバンク」は大学生が3万人、経営者が1万人利用するニッチでアクティブなプラットフォームを目指しています。例えるなら、就活・新卒採用におけるFacebook。このサービスを通じて、就活・新卒採用に蔓延る様々な課題を解決します。

晒名:
私は現在23歳だからなんとか大学生のことが分かりますが、自分が25歳くらいになると話を聞いても腑に落ちず消化し切れなくなると思うんです。それは悪い話ではなくて、例えば30歳になった時は自分が30歳になったからこそ分かる課題があると思います。それが30歳、50歳、 80歳となっていく中で都度、自分が感じる課題は変わると思うので、等身大で都度取り組める起業家になりたいなと思っています。その為の手段はこだわりませんが、強いて言えば、一緒に働きたい人と働きたいというのが一つのテーマです。それを実現するには実力をつける必要があり、一緒に働きたい人が来てくれるような自分でないといけないので、現時点は修行の途中です。

「微力だけど無力じゃない」

―晒名さんは好きな漫画「左ききのエレン」のワンシーンの言葉「微力だけど無力じゃない」を座右の銘としています。自分に自信が無く、自分がやらなくてもいいのではないかと思っていた晒名さんはこの言葉に出会い、どれだけ力が小さくても無力じゃないのならば微力でもやるべきだ、と感じました。

晒名:
この言葉って色々な人に響くんじゃないかなと思います。一人ひとりは微力でも集まればすごい力になりますし、一人で面白いことをやっても楽しくないので、皆で一緒に面白いことをしたいと思っています。ハントバンクも会社自体は一人で経営していますが、色々な人達と一緒に盛り上げていくサービスにしたいです。大学生の為になることであれば就職活動に関わらないことでもやりたいです。

―この記事を読んだ学生で、晒名さんと一緒に何かをしたいと思った学生がいれば連絡をしても良いか聞いてみると「是非!」とのお答えでした。

晒名:
気軽に声を掛けてほしいです。言われたことは形にするタイプなので、小さなことから大きな話まで気軽に言ってもらえたら嬉しいです。座右の銘「微力だけど無力じゃない」という言葉を胸に、自分は今後も走り続けますので、みんなで一緒に面白いことをしましょう!

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