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命の重みに気付いて独立。「失敗は貴重な財産」と捉えられるその生き様とは。

経歴

川田 幸人

未来型漫画 Future Trip 株式会社 代表取締役社長

1976年生まれ、神奈川大学卒業。1999年、東京都交通局電車部(東京都地方公務員)に入局。16年間勤めた後、2015年に個人事業主として独立開業。2018年、未来型漫画 Future Trip株式会社を設立。
企業の「理念・ビジョン」を一冊の「ストーリー漫画」で表現し、ファンを増やすことによって、最終的に集客・収益を向上させる為のマーケティング・プロモーションツールである未来型漫画「Future Trip」の提供を主事業としている。現在、外国人労働者を雇用していく未来を担う企業へ、ストーリー漫画やアニメーションを活用した未来型マンガ教育に取り組んでいる。

事業内容

漫未来型漫画 Future Trip 株式会社は、漫画・アニメーションのプロモーション事業を行っています。主事業である、未来型漫画「Future Trip」は「コミックスマーケティング」の1つで、経営者や企業の「理念・ビジョン・情熱」を一冊のストーリー漫画で表現します。従来から存在する自叙伝漫画ではなく「未来」を付け加えることで、ここでビジョンを明確にすると思考は現実化するという想いから未来型漫画となりました。
他社との競合優位性として変わっているビジネス展開は、訪日外国人労働者向けの漫画やアニメーションを活用した人材教育です。言語の壁やコミュニケーションに課題を感じる訪日外国人労働者が、視覚情報を用いた漫画を通して学ぶことで、吸収率の向上、離職率の改善が出来ます。2019年からの改正入管法に伴い増加が予想される訪日外国人労働者へのアプローチはニーズが高く、今後も高まる需要と考えています。

独立のきっかけは命の重みに気付いたこと

―16年間勤めた公務員を退職して独立されたのは、命の重みに気付いたことが一番の理由だと語る川田さん。奥様の病気、そして東日本大震災の後に石巻市を訪問したことがきっかけでした。奥様に癌が見つかり、「もしかしたら、この人が自分の目の前からいなくなってしまうのではないか」という不安がよぎった川田さん。その後、悪化する体調や投薬の副作用により奥様は精神的にも鬱状態になりました。川田さん自身も気が滅入ってしまっていたタイミングで東日本大震災が発生。現地に赴くことで何か気付きが得られるかもしれないと思った川田さんは、奥様を半ば強引に連れて石巻市を訪問しました。

川田:
石巻市に降りた瞬間に驚愕しました。一瞬で多くの命が奪われたことが明らかに分かるような景色でした。その時、カミさん自身が「私はまだ生きているんだ」と気付きましたし、私も人の命は一瞬でどうなるか分からないこと、だけれどもそこでまだ生きている人がいて、この人達は全くのゼロからスタートし、乗り越えていかなければならないことを感じました。私は「もしかしたら『ゼロからでも命さえあれば人ってなんだって乗り越えていける、やれば出来る』っていうメッセ―ジを届ける為に生まれてきたんじゃないか」と思い、だったら私は全くのゼロからやってみせる、このメッセージを届けていくんだという決意をしました。
カミさんの病気も、石巻市の訪問も、命の重みに気付かせてくれ、これが公務員を退職して独立するきっかけとなりました。

やれば出来ることを体現

―「ゼロからでもやれば出来る」ことをご自身でまず体現しようと決意した川田さん。何もメッセージでも言えることですが、実績の無い人が「やれば出来る」と言っても響かないからこそ、自分が会社を立ち上げました。何かビジネスをしたいというよりは、ゼロからでも出来るというメッセージを届けるという想いで起業をしたのは、川田さんならではの個性だと言えると思います。想いがベースにあり、その上で徹底したマーケティングリサーチを行い、現在の事業経営に至ります。0→1で飛び込むことに躊躇が無い川田さんの価値観を形成したのは、家庭環境と中学時代の成功体験でした。

川田:
私は少し変わった子どもで常に何にしても質問していました。例えば「なんで人って口は一つなのに耳は二つあるの?」とか。それで親父に聞くと「そんなこと考えていないで公園で遊んで来い」と言われるんですね(笑)。誰も教えてくれないから、「なんでだろう。そっか喋るよりもしかしたら聞く方が大事だから、耳は口の二倍ついているのかな」とか考えたり。そこで自分自身で考える力と想像する力が養えました。
もう一つは中学生の時の受験勉強の成功体験です。うちは貧乏家庭だったので、高校に進学せず働いて稼ぎを家に入れようと思っていましたが、そのことを母に言うと「あんたくらいはお願いだから高校に行って」と大泣きされたんです。うちの親父も高校に行きたくても行けなかったので。働く上で偏差値は関係無いからと、中学2年生までほとんど勉強しておらず偏差値は35とか底辺でした。母からの一言で中学3年生から本気で勉強を始めました。睡眠時間が一日2, 3時間くらいの生活をずっと続け、トイレに行く暇、ご飯を食べる時間すら勿体ないと思ってずっと勉強してきた結果、半年で偏差値が71になりました(笑)。そこで「人って何だって出来るじゃん」と思った成功体験が大きいですね。

―しかしこの成功体験が裏目に出て、「人は何だってやれば出来るじゃん。だったらまたやるタイミングが来たらやればいいや」という甘い考え方になったそう。そこで大学や就職はいい加減になりました。就職先として公務員を選択したのは、安定して楽に稼げるから、公務員になると親が喜び周りに自慢するので親孝行になるから、という理由からでした。公務員試験の時だけ勉強し、合格して東京都地方公務員として16年間勤めました。

川田:
公務員は新しいことに挑戦するよりも失敗しない方が生き延びられる職業ですが、幼少期の頃から自分自身で考えて想像して自ら一歩踏み出すのが好きな変な人間だったから(笑)、確かに公務員は楽に稼げるというのはありましたが、合わないなとは思っていました。 そこで命の重みに気付かせてくれるカミさんと出会ってから、独立するに至る転機となりました。

失敗は貴重な財産

―起業をして最初から成功していた訳ではなく、人脈ゼロ・実績ゼロからの独立起業は想像以上に辛くて苦しい経験で、事業が上手くいかなかったときもあったそうです。しかし「人間は色々な失敗をし、そこを改善して成長に繋げていくもの」というご自身なりの理論があり、「命さえ取られなければ失敗してもいいや」と、まずは失敗をしてもいいからやってみる、実践に繋げてみることをしてきた川田さん。失敗することに対して不安感は無かったのでしょうか。また失敗することをどう捉えていらっしゃったのでしょうか。

川田:
シンプルに言うと、失敗は自分の中の貴重な財産となっています。本気で命がけでやったことって、その瞬間は辛いのですが後で大きな喜び、感動になるんです。「ああ俺、人生で一つ思い出作った。やり切った。」って。この、喜び以上の感動レベルを味わったことがあるからこそ出来るんだと思います。
そして、人は挑戦の数だけ失敗の数も多く、だけれども失敗の数だけ人は学びに変えられます。その学びの数だけ成長できる、そういう原理が成り立っていると思うので私は色々な挑戦をして色々な失敗が出来ているんだと思います。

―失敗をある種楽しめている川田さんの考え方を醸成したのは上述の家庭環境でした。何にでも好奇心を持ち、自分自身で考えて想像して行動すると、失敗することも当然たくさんあった中で、失敗をして改善をしていく過程が、現在の川田さんの価値観を創り上げました。

正しい努力を正しい順序でやれば何だって乗り越えていける

川田:
私の最終的に届けたいメッセージは「正しい努力を正しい順序でやれば人は何だって乗り越えていける」ということです。私自身、今までやろうと思ったことや達成しようとしたことは100%ではないけれど、ほぼ達成されているんです。そこには何か理由があると分析した結果、未来型漫画と通じるのですが、自分のビジョンをより具現化した人間だけが未来を実現できると考えました。例えばイチロー選手は小学校6年生の卒業文集で夢をすごい具体的に書いていて。もし「僕はプロ野球選手になってお金持ちになりたい」だけの文章だったらおそらく、今のイチロー選手になっていないと思います。どれだけ自分のビジョンが具体化されて想像されているか、イメージ化されているかということがとても大事なんです。

―ご自身の経験と考えから、未来を実現する上でビジョンが明確化されていることの重要性を認識し、それが現在の事業である未来型漫画へと繋がっています。そんな未来型漫画 Future Trip株式会社の経営理念は「自分と関わる全ての方々に喜びを届け、更なる価値・感謝・感動を届き続け、一人ひとりが自分らしい幸せを手に入れること」です。これを実現する為にどのような人と一緒に働きたいかを伺いました。

川田:
人を幸せにしたいと思う人は多いと思いますが、自分が幸せじゃない人間が人を幸せにしようと思っても難しいんです。まずは自分自身が幸せになることを心の底から感じていないと幸せは届けにくいと思います。当然、自分と関わる周りの人達に喜びや感動を届けられる人であってほしいですし、更には自分らしい幸せをゴールにできる人と一緒に働きたいです。

川田:
人は全くのゼロからでも過去を検証し、「正しい努力を正しい順序でやれば何だって乗り越えていける」というメッセージを響かせる為に、自分自身がこのような人生を歩んできています。 自分には一生に一度きりの人生で必ずやり遂げなければならないビジョンと明確な目標があります。その為に、これからも勇気を出して一歩ずつ一歩ずつ自分の道を進んで行き続けます。

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