澤尻友雅
慶應義塾大学2年。UNIDOL実行委員会の委員長を務める傍ら、2020年10月から大会運営に取り入れられた映像配信関連の業務をまとめている。
UNIDOL実行委員会
「普通の女子大生が、一夜限りの“アイドル”としてステージに立つ」というコンセプトの大学対抗コピーダンスイベント「UNIDOL」を運営している。メンバーは全員が学生で、イベントに必要な全ての業務を学生中心で行っている。関西、東海、九州、北海道の各地方でも大会を開催し、規模は全国的な広がりを見せている。
──UNIDOL実行委員会で活動してきたなかで、印象に残っているエピソードを伺いたいです。
映像配信環境を完成させたときですかね。以前は映像系の団体に手伝ってもらいながらやっていたのですが……そこから、知識も何もなかった大学生だけでゼロから造り上げることになって。もちろん苦労はありましたが、完成したときには凄く達成感がありました。
──活動に参加されたのはいつから、どういったきっかけだったのでしょうか?
大学2年生からですね。以前からアイドルへの興味はあったのですが、運営側として関わりたい……とか、そういった気持ちがあったわけではないんです。なので、活動に参加し始めたのも実は結構軽い理由で。他の大学の友達とかできるかなー、と思っていましたね。
──そういうことであれば、別のインカレサークルでも良かったと思うのですが……どうしてUNIDOL実行委員会を選ばれたのでしょうか?
こちらも軽い理由ですね。主な活動場所が目黒なのですが、個人的にアクセスが良かったので(笑)。
──思った以上に軽くて驚いています(笑)。先ほど、元々アイドルへの興味はあったというお話をされていましたが、イベントとしてのUNIDOLは以前からご存じだったのでしょうか?
毎回参加していた常連というわけではありませんでしたが、知ってはいましたね。
──なるほど。そんなUNIDOLに運営側として参加することになり、今では実行委員長も務められているわけですが……コロナ禍ということで色々なご苦労があったのではないかと思います。特に大変だったことなどを伺いたいです。
やっぱり配信業務ですかね。初めに話した通り、苦労が多くて。それと、僕は舞台袖からスケジュール通りMCを出したりする「ステージ進行」という仕事もやっていたのですが、そちらは平時でも結構忙しいんですよ。
未成年のメンバーがいる場合は特に時間を気にしないといけないとか、上手く進行する為に色々気を回さないといけないことが多くて。その上、コロナ禍になって換気をしなければいけないタイミングなどがスケジュールに追加されたりして、大変でした。
──UNIDOLでは来場客と出場者の交流会も行っていたり、世界進出も視野に入れてたりしていたかと思うのですが、その辺りは特にコロナ禍の影響を受けているのではないかと思います。そこに関してはいかがでしょうか?
おっしゃる通りですね。世界進出については、台湾大会を開催できるかもしれないという可能性が浮上していたのですが、コロナ禍でその話も止まってしまいました。交流会もオンラインで行うことになり、そちらの配信環境を整えるのにもまた苦労がありました。
──そういった苦労もある中、どういったモチベーションで活動されていたのでしょうか?
最初は単に楽しさだけでやっていました。ただ、自分の役職が上がって責任が増していくにつれて、「自分たちがしっかり出来なかったせいで、結果的にUNIDOLの活動を後の世代に引き継ぐことが出来なくなってしまったりするのは困る」と思うようになりました。それと、出演者の方々がUNIDOLに懸けている想いをより理解するようになって……彼女たちの為にもビシッとこなさなければいけないな、という意識で動くようにもなりましたね。
──この記事の読者層には「自分も澤尻さんみたいに、学生団体で活動してみたいな」と考えている方も多いのですが、学業やバイトとの両立が可能かどうかということは気になるポイントだと思うんですね。そこはいかがでしょうか?
イベント前になると結構忙しかったりしますが、普段のミーティングは週に一回程度なんですよね。なので、僕自身を含めてUNIDOLとその他の活動を両立出来ている人が多い印象があります。ただ、役職を持つようになると活動時間とは別にやることが色々と生まれたりするので……忙しさは人によりけりですね。
──ありがとうございます。また、新しく参加したいと考える方の中には当然、澤尻さんと同じく「これまでそういったイベント運営やエンタメ業界へ関わった経験はないけど挑戦してみたい!」という場合も多いと思うんですね。そこで、今までの経験がUNIDOLでの活動に活かされたというような実感を得られたことはありましたか?
それまで、僕はテニスサークルにも所属していたんですね。そこでの飲み会やコミュニケーションをする中で得た、察する力や気配りの仕方というのは、UNIDOLでも大いに役立ったと思っています。実行委員長という立場上、アイドル業界のプロの方とお会いする機会もあったのですが、そこでどう振る舞うかという点でもそういった経験が活きてきたと思います 。
──また、これも新しく参加したいと考える方にとっては気になるポイントだと思うのですが、UNIDOL実行委員会の雰囲気を簡単に説明するとどういった感じなのでしょうか?ホームページを拝見するとかなり組織がしっかりしているような印象があって、もしかして堅い雰囲気だったりするのかな?と思ったりもしたのですが。
決して堅い感じではないですね。先輩と後輩の仲も良いですし、大学のサークルらしく楽しい雰囲気だと思いますよ。ただ、規模の大きいイベントを運営することもある以上、それに伴う責任感が必要とされることもあるので、決める時は決める組織です。
──かなり精力的に活動していらっしゃる印象を受けるのですが、澤尻さんは将来的にもこういったコンテンツ産業に関わりたいという風に考えていらっしゃるのでしょうか?
そうですね。今までは周囲の学生と同じように、就職で人気上位の大手企業などをなんとなく志望していたのですが、UNIDOLで活動するにつれそういった業界にも興味が沸いています 。
──やっていて良かったと思うことは何ですか?
なかなか得られないことが出来ることです。普通に生きていたらこの年齢ではありえないような体験が出来ると思います。僕の場合、金銭の管理をしているときにその実感がありましたね。こんなに大きなお金が全部自分の責任で動くのかと思い、衝撃を受けました。
──これからも実行委員会のメンバーは増えていくかと思うのですが、どういう方ならUNIDOL実行委員会に向いてるだろうとか、ぜひ入ってきて欲しいといったものはありますか?
向き不向きはそこまでないと思いますね。入ればなんとかなるので大丈夫です。強いて言えば、ダメだダメだと思っても最後までやり切れる胆力がある人ですかね。今のメンバーにもそういう人が多いです。あと、できれば男子に入って欲しいですね。結構男女比が偏っているので……。
──実行委員長として、今後のUNIDOLの展望を伺いたいです。
まずは決勝戦を実現することですね。コロナ禍で中止になってしまったことが、今でも強い心残りとしてあるんですよ。それともっと規模を大きくして、大学生なら誰でもUNIDOLのことを知っているようにしたいです。「あのグループに入りたいからこの大学に入った!」みたいな人が出てくるような状況を目指したいですね。
──最後に、同世代で学生団体にチャレンジしてみようかなぁと思っている学生や、UNIDOLに興味を持っている人達に向けたメッセージをいただければと思います。
絶対に楽しいと思います。普通に学生生活を送っていたらなかなか出来ない体験が出来るので、是非興味を持って挑戦してみて欲しいですね。